アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」11 大久保ゆう訳
豊島与志雄随筆リスト

2006年07月28日

 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」12 大久保ゆう訳

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 つぎの星は、のんだくれのすまいだった。ほんのちょっとよっただけなのに、王子くんは、ずいぶん気もちがおちこんでしまった。

「ここでなにしてるの?」王子くんは、のんだくれにいった。その子が見ると、その男は、からのビンひとそろい、なかみのはいったビンひとそろいをまえにして、だんまりすわっていた。

「のんでんだ。」と、のんだくれは、しょんぼりとこたえた。

「なんで、のむの?」と王子くんはたずねた。

「わすれたいんだ。」と、のんだくれはこたえた。

「なにをわすれたいの?」と、王子くんは気のどくになってきて、さらにきいた。

「はずかしいのをわすれたい。」と、のんだくれはうつむきながら、うちあけた。

「なにがはずかしいの?」と、王子くんはたすけになりたくて、たずねてみた。

「のむのがはずかしい!」のんだくれは、そういったきり、とうとうだんまりをきめこんだ。

 どうしていいかわからず、王子くんは、そこをあとにした。

 おとなのひとって、やっぱりめちゃくちゃおかしい、とその子は心のなかで思いつつ、たびはつづく。

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つぎの星は、のんだくれのすまいだった。ほんのちょっとよっただけなのに、王子くん
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