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電子化された情報が利用出来るようになってから、底本探し等で図書館をよく利用していたが、電子化される前のことを少し思い出してみたい。
図書館の利用法には二つあると思う。
一つは、目的の資料を効率よく探し、情報を集めることである。電子化される前には、該当図書を探すには、あの図書カードボックス(大抵は木製のカードケース)を著者別に探したり、図書の読みで探したりした。効率はあまりよくなかったと思う。電子化されたことで、目的の書籍を見つけることは大変に楽になった。書庫にある書籍の利用率があがったという話を聞くが、電子化情報の検索が容易だからだろう。
もう一つは、あまりはっきりとした目的もなく、面白そうな書籍を探すことである。開架の書棚をぶらぶらと見てあることである。電子化される前には、こういう利用法が多かった。だから、開架のない国会図書館は、図書館としてあまり魅力を感じなかった。図書館の本は大抵、分類番号別に配置されている。文学の棚が大きいのは、どの図書館でも同じかもしれない。他の書棚をのんびりと見て回り、実際に本を手に取ってみて、ぱらぱらと眺めて面白そうならば、借りて読む、といった使い方である。
この二つの異なった利用法の観点から青空文庫を考えてみる。
目的の書籍を効率よく探すという利用法は、電子化された情報が簡便に利用出来る電子図書館ならではの利用法であり、著者別、タイトル別の基本的な検索に加え、トップページのGoogle検索、青空鯰による検索などで、一般の図書館では実現できなかった書籍中の語句検索まで可能になっている。
もう一つの書籍を眺めて探す為には、分野別などのように、著者、タイトルとは異なった分類によるリストが必要である。しだひろしさん、Jukiさん、あすなろさん、おかもとさんの御尽力により、青空文庫の収録作品を分野別に分類したリストが利用できるようになった(詳しくは「青空文庫 分野別リスト」にリンクを参照)。実際に利用してみると、分野別に並んだ作品を著者に関係なく読めることは、一般の図書館である分野の書棚をぶらぶらと眺めている感覚に近い。ある著者の作品を片っ端から読むことも楽しいが、いろいろな本を見つける喜びもまたあるのである。
図書館に二つの側面があると書いたが、本来の目的からすれば、資料検索が本義であろう。しかし、興味のある書籍を見つけることが出来る「本との出会いの場」であることも大事ではないかと思う。分野別リストは、こういった本との出会いを見つける機会を増やしてくれていると思う。
最後になりましたが、しだひろしさん、Jukiさん、あすなろさん、おかもとさん、ありがとうございました。
★この文章を書いた人→門田裕志★こんな時間に→2006年03月20日 06:37 ★トラックバック〜門田さんへの返礼にかえて〜
この発見を手始めに、今まで知られなかった文字の霊の性質が次第に少しずつ判って来た。
文字の精霊の数は、地上の事物の数ほど多い、文字の精は野鼠のように仔(こ)を産んでふえる。(中島敦『文字禍』より)
♪ it will be will be... 先のことなど、わからない。
Posted by: しだ at 2006年03月21日 09:28