うたたねしなかった不条理演劇
訂正

2004年06月01日

 水牛だより6月1日

CRAFT碧鱗堂BOOKS第一回展示会「本の世界のはじっこから」にでかけ、内澤旬子さん手づくりの豆本や絵巻物、絵はがき帖などを見てきました。ウェブにあるテキストが縦書きの和綴じの本に変身しているものもあって、綴じてみると別の魅力が加わることをあらためて感じました。

先日おとずれたニュージーランドの町には大きな本屋がいくつかあるのでした。英語の本はアメリカのものもイギリスのものもたくさん置いてあり、ニュージーランドで出版されているのはその中の1割あるかないか。でも、コンピュータと人の手とが助け合って出来たようなちいさなエッセイのシリーズや、かんたんな糸かがりの詩集なども堂々と並んでいるのです。ひとつの世界を綴じて手わたすことに優劣はないということでしょう。御喜美江さんのエッセイを「たんぽぽ畑」という冊子にまとめたことがきっかけで、綴じる方法をいろいろとかんがえました。本格的な製本機も持たない身にはなかなか難題だったのですが、最近は四釜裕子さん考案の糸だけ製本をしっかりマスターし、さて、そろそろ水牛文庫(仮称)でもはじめようかという気分です。

「水牛のように」を2004年6月号に更新しました。
佐藤真紀さんは先月の続きで、高遠菜穂子さんやイラクのことなど。こうした現場からの報告を読み、同時に最近出版された「影の外に出る 日本、アメリカ、戦後の分岐点」(片岡義男)などを読むと、いまの世界の複雑なありようがよくわかってきます。
先月も紹介したように、武石藍さんは本棚の「女たちの同時代——北米黒人女性作家選」を途中から入力してくれました。水牛の中で本棚がいちばんおもしろいと言ってくれたのも彼女。そういう出会いがおきたことを知るのは望外のよろこびです。
フィリピンの作曲家ホセ・マセダが5月に亡くなりました。その通知はメールで届いたもの、日本の新聞にはひとことも載ることはなかったのでした。高橋悠治さんはマセダとの思い出を。

「水牛の本棚」は「女たちの同時代——北米黒人女性作家選」全7巻についての藤本和子の解説をいましばらく楽しんでください。

「水牛通信電子化計画」は1980年10月号を公開しました。「軽印刷のすすめ」という一冊まるごとの特集です。水牛通信は、出版という技術をできるだけ自分たちの手でとかんがえました。その方法をオープンにしたマニュアルのこころみの号です。「流言蜚語なしでは真実を手にいれることはできない。……わたしたちの側にも流言蜚語生産のための技術がいる」「わたしたちの運動は、歩いてどこへいくのかということと同時に、それ以前に、まず、わたしたちが歩くという現実からなりたっている。「正しい道という概念は、正しい歩行という概念よりも劣っている」(ブレヒト)。印刷もふくめての文化の運動は、この「正しい歩行」の技術に直接にかかわる。」この号に書かれている技術のいくつかはすでに過去のものといっていいと思いますが、技術をとりもどそうという想像力はいまもいきいきとしています。

今月の催しのお知らせを以下に。
●「終わらない戦争、イラクの子ども絵画展」
6月18日〜7月1日(11:00〜19:00 最終日は17:00まで)
ストリートチルドレンの描いた絵や、白血病の子どもの描いた絵を展示します。
また会場では、本や絵葉書、CDなど販売しますのでお楽しみに。
東京のギャラリー日比谷で。
詳しくはJVC tel:03-3834-2388 まで。

●「文字の文字 平野甲賀と字游工房展」
2004年5月21日〜6月18日(日・月・祝 休館)11:00〜18:00
ユニークな文字をつくりつづけている平野甲賀。
スタンダードなデジタルフォントの開発をめざしてきた字游工房。
文字にこだわるデザイナーの仕事の手の内を明かにし、タイポグラフィーの可能性を展望します。
Gallery5610
港区南青山5-6-10 tel:3409-9496

●「volcano girl 平野さくら絵画展」
2004年6月4日(金)〜15日(火)12:00〜18:00
ことしの春大学を卒業した平野さくら初の個展、大注目です。
タイトルがすてき。女の子は噴火しているのです。
NO.12 GALLERY
渋谷区上原2-29-13 tel:03-3468-2445
小田急線東北沢駅、京王井の頭線駒場東大前駅から徒歩8分

●江村夏樹作品コンサート『夢』
7月23日(金)18:30会場 19:00開演
江東区・門仲天井ホール tel 03-3641-8275
前売3000円 当日3500円
平川和宏(男声)/三橋美香子(女声)/山田百子、甲斐史子(ヴァイオリン)/西陽子(筝)/松本健一(テナーサックス)/江村夏樹(ピアノ)/声の出演 寺本実里、江村夏樹/須藤力(音響技術)/場内日本画展示 青柳恵子、萩原まい子
太鼓堂で前売予約を受け付けています。

それではまた!

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