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五月雨や 五月雨を、といえば最上川ですが、その支流に寒河江川という川があります。寒河江と書いてさがえと読みます。山形県人ならばだれでも知ってる名称ですが、はじめてのひとにはちょっと難しい地名です。それでも、鎌倉期(あるいは 平安期 だったか)には名馬の産地として寒河江荘の記述が文献にあらわれます。
【訂正】寒河江の初見は「殿暦」天仁2年(1109)9月26日条で、関白藤原忠実が競馬に「寒河江栗毛」を出走させた記事。同3年3月27日には、出羽国司源光国が寒河江庄に乱入した記事がある。『山形県の地名』平凡社1990.より。つまり「鎌倉期」ではなくて「平安期」が正解。
山形県のほぼ中央に月山があり、そのすぐ南に朝日連峰があって新潟県とのさかいにもなっています。有数の豪雪地帯で、少ないところでも3、4mの積雪が毎年あります。月山といえば、8月まで残る雪を利用した夏スキーでも有名ですが、その月山・朝日の大量の雪解け水が寒河江川となり最上川となり、山形県内陸地方や庄内地方のたんぼやはたけをうるおしています。
はたして月山のネームバリューはどれくらいなものでしょうか。文学好きの人なら森敦の同名の小説や芭蕉の『奥の細道』で。スキー好きの人なら夏スキーで。近年、ようやく山形市方面から庄内方面への高速道路が開通したので、インターチェンジ名にもなりましたが。月山自然水をご存じのかたもいるかもしれません。あとは、民俗学・歴史学のほうならば出羽三山や山岳宗教としてといったところ。先日まで、国道112号が全面通行止めになった斜面滑落の現場は目と鼻の先です。
ここまで書くと、けっこうな山間地なんだなあということがぼんやりとでも想像していただけるのではないかと思います。事実、月山は「死出での山」とも呼ばれることがあります。標高2000mに満たないながらも、その容貌や残雪や絶えることのない雪解け水や、原生のブナ樹林。おだやかで恵み深い一面があるとおもえば、裏を返したように人を寄せつけず拒み、容赦がない。古くから冥界・聖域として畏怖されてきたゆえんです。
田畑には毎年5月まで雪が残りますし日照も少なく水も冷たいので、米作には悪条件が重なります。また、多量の積雪は果樹の枝を痛めるので、くだものの栽培にも適しません。そのためにこのあたりでは、従来もこんにちもまた、いわゆる山菜によって生計の多くを頼ることになります。たけのこ・こごみ・たらのめ・こしあぶら・みず・ぜんまい・うど・うるい・しおで・しいたけ・なめこ・わかえ・まいたけ・ぎょうじゃにんにく。
ということでもうしばらく、ゆっくりネットというわけにもまいりません。
以上一面、やまがたからの広告記事でした、みたいな。
2004.5.30
しだひろし/PoorBook G3'99
転載・引用・リンクは自由です。やれるものならやってみろ、みたいな(はーと)。
五月雨をあつめて早し最上川
五月雨と最上川というと、上の芭蕉の句を思い浮かべてしまいますが、五月雨やで始まる最上川の句というのは、どういったものがあるのでしょうか。
Posted by: (尚) at 2004年06月02日 00:47