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青空文庫のオフ会では、いつも文字のことが話題になります。じぶんの好きな本をだれもが読めるようにしたいという動機ではじめる人のおおい入力や校正ですが、じっさいには、そうかんたんではありません。好きな作品を何もかんがえずにそのままデジタルテキスト化できたとしたら、それは幸運な例外なのです。
コンピュータで使える文字は、まだ限られていて、青空文庫では不自由だと感じることのほうが多いのです。そのために、コンピュータに搭載されていない文字をどうするか、あれこれみんなでかんがえるのがおおきな柱のひとつとなっています。青空文庫は不自由が育ててくれたといってもいいくらいです。作業のために底本をじっくり見るので、もちろん誤植も見つけるし、やがて底本の善し悪しまでわかるようになってきます。権威のある出版社のものでも、ひどいものはひどい、だめなものはだめ。編集者でもないのに、いつの間にか、編集にふかくコミットしているへんな集団だなと、オフ会に出てくれたひとたちの顔をみながら、あらためてそう思うのでありました。
「水牛のように」を2004年5月号に更新しました。
イラクで人質となった高遠菜穂子さんはこどもたちを助けていたと知って、すぐに佐藤真紀さんを思いうかべてたのは、きっとわたしだけではないと思います。やっぱりいっしょに活動をすることがあったのですね。
青空文庫のLUNA CATさんが「青空文庫的生活ツール」azurについて書いています。このソフトは青空文庫の集団的編集能力(!)のひとつのみのりです。ウェブブラウザとして使えます。ぜひためしてみてください。
「水牛の本棚」は藤本和子「反悲劇」です。
「女たちの同時代——北米黒人女性作家選」第7巻「語りつぐ」(ゾラ・ニール・ハーストン、ルシール・クリフトン)について。ゾラ・ニール・ハーストンの「騾馬とひと」、ゾラ・ニール・ハーストンについてのメアリ・ヘレン・ワシントンとアリス・ウォーカーの論考、そしてルシール・クリフトンの回想「末裔たち」がおさめられています。この本は絶版ですが、収録されている「騾馬とひと」は平凡社ライブラリーの1冊となって、いまも生き延びています。ハーストンの作品集は新宿書房からも出ています。「彼らの目は神を見ていた」「路上の砂塵」「ヴードゥーの神々——ジャマイカ、ハイチ紀行」英語版はたくさんあります。検索してみてください。
「女たちの同時代——北米黒人女性作家選」はこれでおわりです。途中から入力を引き受けてくださったのは武石藍さん。ありがとう、ごくろうさまでした!
「水牛通信電子化計画」は今月はおやすみです。たのしみに待っていてくださるかた、ごめんなさい。来月はきっと。
ブックフェアで本を物色しているとき、エリック・ホッファー「波止場日記」に呼ばれました。本のほうから読者として呼ばれるというひさしぶりのこと。ホッファーは放浪ののちにサンフランシスコで港湾労働者としてはたらきながら、ひとり図書館で読書と思索をつづけたひとです。こうした知性のありかたにはほれぼれします。
それではまた! (八巻美恵 suigyu@collecta.co.jp)
★この文章を書いた人→八巻美恵★こんな時間に→2004年05月01日 01:21 ★トラックバック