てふてふ君の症例検討会(その 7)
【はじめに】前回の検討会、いかがでしたか?これで、ローマ数字がついたタイトルと縦書きセンテンスでは変換できたと思いますが、横書きアルファベットには、まだ対応できず、思案中です。さて、今回は芝居の脚本を取り上げます。これも、Sさんからのメールがその動機です。(ここまで書けば、バレバレですね。)
【症例】 加藤道夫「なよたけ」
【主訴】台本の中で役の名前の数字が、横書きになってしまう。
【現病歴】またもやメールを以って替えます。(^_^;)
先日は、立原道造の件でお世話になりました。甘えついでにもう一つお願いがあります。実は私、芝居の世界で役者を目指しています。今度の公演で、端役ながら始めて舞台に立ちます。演目は、加藤道夫の「なよたけ」、割り振られた役は、「女 10」です。本読みがほぼ終わり、立ち稽古に入っていますが、演出の先生からクレーム、「君は、すぐに頚を右に傾ける!」、だって、PDF で配られた台本は、下に添附した画像のように、「10」が右に 90度傾いてるんですもの、すっかりその癖がついてしまいました。もう一度台詞をおさらいしなければ成らない時期に、お願い、台本を何とかまっすぐ読めるようにしてください。
解決策(処方箋)は、続きにあります。
【その処方】 メールの返信を以て替えます。(^_-)
女優を目指しておられるよし、応援のエールを送ります。さて、お困りの点は、いわゆる「縦中横」と申します。TeX で、きちんと表示するのは、そんなに難しいわけではなく、\rensuji というコマンドを使用し、「女10」なら、当該箇所を、
女\rensuji{10}
とすれば、うまくいきますので、お知らせします。ついでに、青空文庫に収録されている他の戯曲もたくさんあり、「縦中横」の注記のある岸田国士「職業(教訓劇)」も手直ししました。この場合、文字の配置が少しおかしくなるので、以下のような長たらしいコマンドになります。
女優\hspace{-0.152zw}%
\rensuji{\kintou{1zw}{B′}}\hspace{-0.3zw}
この芝居なかなか面白いですよ。少しは、あなたの「俳優修業」にお役に立てるかもしれません。では、貴君のご活躍を期待しつつ‥
とこれで、解決完了となれば言う事はないのですが。こうした「台本」組版の世界は意外と奥深い物です。特に、台詞の部分は、人物名が「天付き」にきて、台詞そのものは、一字下がりとなるのが通常のようです。青空文庫での注記に「[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]」とあるのが、それに当たります。藤田眞作先生のマクロ、daihon.sty を使えば実現できなくはないのですが(下図)、「てふてふ君」での変換が複雑になり、思案中です。改めて、このカンファレンスで検討してみたいと思っています。
今回の、検討会いかがでしたか?反って宿題をたくさん抱えたようで恐縮しています。次回は、豊島与志雄「死刑囚最後の日解説」や神西清「『可愛い女 犬を連れた奥さん 他一編』あとがき」などを取り上げ、文字装飾のうち斜体(イタリック体)を取り上げてみたいと思います。お楽しみに!



「[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]」
これが数行ならば、単なる1字下げにして、各行のあたまに、\leavevmode\kern-1zw をつけるという安直なやりかたを、わたしはよくつかいます。
>秘密工作員 Zさん
コメントありがとうございます。ご教示のコマンドで一度作ってみます。
[...] 現在、藤田眞作先生の daihon.sty と、秘密工作員 Zさんのコメントを使ったコマンドにて加藤道夫「なよたけ」を鋭意製作中です。完成すれば、公開しますので楽しみにしてください。 [...]