てふてふ君の症例検討会(その 6)
【はじめに】 まず、検討会(その 1)のコメントで、psitau さんから、方法をアドバイスされ、otf パッケージを使うようにしたいのですが、今回の場合でも PDF のサイズが 3割方増加します。しばらくは、utf パッケージのままで行こうかなと思っています。さて、前回の検討会、いかがでしたか?いろんな人からコメントがつき始め、「カンファレンス」らしくなってきて、うれしく思います。さて、今回は、立原道造の諸作品をとりあげます。きっかけになったのは、未知の女性、Sさんからのメールでした。
【症例】 立原道造「優しき歌 ⅠⅡ」
【主訴】タイトルや作品中に、Ⅰ、Ⅱなどのローマ数字が、表示できない。
【現病歴】メールを以って替えます。
こんにちわ。私は立原道造の大ファンです。青空文庫では、以前は、「優しき歌 ⅠⅡ」はちゃんとローマ数字が使われていたのに、先日サイトを見ていたら、優しき歌 1[#「1」はローマ数字、1-13-21]・2[#「2」はローマ数字、1-13-22]と長い題名に変わっていました。中身の詩のタイトルも、ローマ数字がそのまま出てきません。こだわるわけではありませんが、なんだか、違う作品になった気がして悲しくなってしまいました。お願い!元のままでなんとか彼の詩が読めないでしょうか?(下図)
若い女性(と勝手に推測します)のご依頼とならば、張り切って検討してゆこうと思います。(^o^)/ というのは、真っ赤な嘘です。
解決策(処方箋)は、続きにあります。
【その処方】 「優しき歌 ⅠⅡ」のローマ数字が、単に彼の死後の編集上での符号の意味だとは、Wikipedia の説くところです。それはともかくとして、TeX としては、utf パッケージを使っているので、タイトル部分と、詩の題名などのローマ数字の注釈部分を以下のように変えるだけです。すると、PDF は下図のようになります。
\ajRoman{1}% 該当する数字のローマ数字を表示する。
以前の青空文庫での注記なしの収録が、現行のように改められたのは、「ⅠⅡ」のようなローマ数字は、機種依存文字だからで、Mac では別の文字として表示されていました。(このブログでは、UTF-8 の文字コードで表現していますので、Windows でも、Mac での同じように表示されます。)TeX では、たとえ、ご自身の PC で表示できても、こうした依存文字は使わないほうが無難です。必ず、今回のマクロをお使いください。
以上で、処方終わりでは、あまり愛想がないので、PDF 作成時には、ルビ記号と区別するための、《》の【】への変更を元に戻しました。(上図)
突然ですが、ここで問題です。実はあともう一つ変換した所が、他の道造作品にあるのですが、お気付きでしょうか?正解された方へ、素敵なプレゼントはないか?(^^;)、分かりましたら、コメントの形でお寄せください。(ヒント:これもローマ数字に関係する事柄です。)ともかく、道造の全作品が、「てふてふ君」で変換可能になりましたので、Sさん同様(まだ夢見ています(-_-))、めくるめく立原ワールドをご堪能ください。m(_ _)m
【本日の処方まとめ】
- \ajRoman{数字}
- 該当する数字のローマ数字を表示する。
【追記】題名にローマ数字のある作品のタイトルが、なんとかまともに表示されるように、「てふてふ君」に仕込みました。寺田寅彦の作品などでお試しください。
今回の、検討会いかがでしたか?次回は、加藤道夫「なよたけ」を取り上げ、出来れば「脚本」形式の体裁について触れてみたいと思います。お楽しみに!


